ラレツV2

ラレツV2!

ポケモンについて様々なことを解説しています

【よくわかるポケモン解説】ガブリアス編

 今回のポケモン解説はガブリアスです。

f:id:KOKUBANLEMON:20190820074121p:plain

目次

 

 

基本データ


全国図鑑  No.445
分類    マッハポケモン
英語名   Garchomp
タイプ   ドラゴン じめん
種族値   H108 A130 B95 C80 D85 S102
高さ    1.9m
重さ    95.0kg
特性    すながくれ / さめはだ(隠れ特性)
性別比   ♂50.0%:♀50.0%
卵グループ 怪獣 / ドラゴン


進化


フカマル → ガバイト(Lv.24) → ガブリアス(Lv.48)

 

 

メガシンカ


ガブリアスメガガブリアス(ガブリアスナイトを所持)

 

図鑑説明


ポケットモンスターダイヤモンドポケットモンスターXポケットモンスターオメガルビー
からだを おりたたみ つばさを のばすと まるで ジェットき。 おんそくで とぶことが できる。

ポケットモンスターパールポケットモンスターYポケットモンスターアルファサファイア
ジェットせんとうきに まけない スピードで そらを とぶ。ねらった えものは にがさない。

ポケットモンスタープラチナポケットモンスターブラック・ホワイトポケットモンスターブラック2・ホワイト2
こうそくで かけぬけると つばさは くうきの やいばを うみだし まわりのきは せつだん されている。

ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー
からだを おおう きめの こまかい ウロコが くうきていこうを へらすため こうそくで とべるのだ。

ポケットモンスターサン
ジェットき なみの こうそくで とぶ。 とりポケモンの むれに つっこむと そのまま むれごと まるのみ。

ポケットモンスタームーン
あたまに ついた 2つの とっきは センサーの やくめ。 はるか さきの えものの ようすも わかる。

ポケットモンスターウルトラサン
おんそくで とび えものを さがす。 エサを めぐり ボーマンダと くうちゅうせんを くりひろげる。

ポケットモンスターウルトラムーン
きめこまかく とがった ウロコは くうきていこうを へらすだけでなく おそってきた あいてを きずつけるぞ。


耐性


4倍
こおり

2倍
ドラゴン,フェアリー

等倍
くさ,みず,あく,かくとう,むし,エスパー,はがね,ひこう,ゴースト,ノーマル

1/2
ほのお,いわ,どく

1/4
なし

無効
じめん,でんき


容姿


 撞木鮫(しゅもくざめ)と二足歩行の恐竜を合わせたような力強くもシャープな容姿を持ったポケモン。 
 名前の由来は恐らく『ガブリ(噛みつきの擬音)』+『notorious(英:悪名高い)』もしくはザンドリアスなど怪獣の接尾語に使われる『アス』か。 
 フカマル時代からの共通点として、雄は背鰭に切り込みがあり、雌には切り込みがない。ガバイトの色違いは鮮やかな青色だったのに対し、何故かガブリアスの色違いは殆ど全くと言っていいほど変化がない。
 全身の色が変わってはいるのだが、通常色と見比べてようやくちょっと違うかなーという程度である。その反動か、メガシンカ時には一目でわかる派手な色へと変化する。 


概要


 『ポケモンDP』で初登場。ポケモン総選挙720では42位に入った。
 一見飛行には向いていないような外見だが、体を折り畳み、背中や両手に付いた鰭(ひれ)の様な被膜を伸ばすことでジェット機のような体形となって、マッハのスピードで空を飛ぶ事が可能。 
 その勢いで鳥ポケモン等の群れに突っ込み、丸呑みにしてしまう形で狩りを行う。ボーマンダと獲物を巡って空中戦を繰り広げる事もあるらしい。 
 微細なウロコ状の皮膚は現実の鮫肌と同様、接触した外敵を傷つける事での牽制や、移動時の抵抗を軽減させる役割があり、飛行スピードの維持にも役立っている。 
 そのスピードは強力な攻撃能力にも転化され、高速移動中に発生したソニックブームは周囲の物体を切断してしまうほどの威力を持つ。 


生息地


 鮫モチーフでありながら、生息地は砂漠や岩山、荒野などの水気のない所が主。
 フカマルの図鑑説明(UM)を元にすれば、元々はどこかの熱帯地方(アローラよりも暑いので赤道近辺だろうか)の出身であり、シンオウやカロスなどの北半球に生息しているものは外来種ということになる(特にシンオウは寒冷地であるため、洞窟の深部にしか生息していない)。 


ゲームのガブリアス

f:id:KOKUBANLEMON:20190820074616g:plain

 600族ドラゴンタイプの宿命で、進化させるまでに手間がかかる。だが、初心者から上級者まで非常に活躍させやすいポケモンである。しかし後述の技の問題から、シナリオで使うのは難しかった。
 シンオウ地方のチャンピオンであるシロナも切り札として使用していて、その実力は折り紙付き。 


習得技の問題


 第4世代前半まではその真価を発揮させる技を覚えさせるのに色々と苦労が絶えないポケモンであった。じめんタイプのタイプ一致技は「あなをほる」と「すなじごく」しか自力習得できないため、じしんを覚えさせるには1回限りの貴重な技マシンを使わなければならなかった。
 タマゴ遺伝で「げきりん」を覚えさせようにもこれまた手間がかかり、最短ルートですら、ミニリュウ♂を進化させないままレベル50以上育てるという修羅の道である。 
 第5世代以降は、技マシンが無限に使用できるようになり、技マシンをどのポケモンに使うかで悩む必要がなくなった。「げきりん」の方も、プラチナ、BW2、ORASで教え技として覚えさせることができる。


対戦のガブリアス

f:id:KOKUBANLEMON:20190820074724p:plain

タイプ


 ドラゴン/じめんは、ほとんどの相手に等倍以上のダメージが通る。攻撃種族値130からタイプ一致の高威力技をバンバン繰り出せるのだ。 
 双方の技を半減以下に抑えることのできる数少ないポケモンも、大体はサブウェポンで弱点を突くことができる。例えばエアームドはドラゴン技が半減、じめん技が無効であるが、特攻種族値80からの大文字で倒せる。
 おまけに、ただでさえ高い火力を増強する手段として「つるぎのまい」も使用できる。 


能力


 攻守を備えた完璧ともいえるポケモン
 高い攻撃を誇り、激戦区の素早さ種族値100を絶妙に越える102も相まってアタッカーとしては非常に優秀。特攻も役割破壊として使える程度にはある。
 耐久面もHP種族値が108、物理防御が95、特殊防御が85。具体的な例を上げると、数値上はローブシンを微妙に上回る物理耐久、ランクルスと同等の特殊耐久なのである。 


特性


 「すながくれ」は天候が「すなあらし」の時に相手の技の命中率を2割減させる。持ち物「ひかりのこな」と組み合わせれば命中100の技も「かみなり」などとほぼ同等の72まで落ち込んでしまう。 
 隠れ特性は「さめはだ」。直接攻撃を受ける度に相手のHPを1/8ずつ削る。


オススメ技


物理技


じしん
タイプ じめん
威力  100(150)
命中  100
備考  ダブルで周囲全体攻撃

げきりん
タイプ ドラゴン
威力  120(180)
命中  100
備考  行動固定

がんせきふうじ
タイプ いわ
威力  60
命中  95
備考  相手素早↓100%

いわなだれ
タイプ いわ
威力  75
命中  90
備考  相手怯み30%。ダブルでは相手全体攻撃

ストーンエッジ
タイプ いわ
威力  100
命中  80
備考  急所ランク+1

ほのおのキバ
タイプ ほのお
威力  65
命中  95
備考  相手火傷10%、怯み10%

どくづき
タイプ どく
威力  80
命中  100
備考  相手毒30%

アイアンヘッド
タイプ はがね
威力  80
命中  100
備考  相手怯み30%

じだんだ
タイプ じめん
威力  75(112)→150(225)
命中  100
備考  条件満たすと威力2倍

ドラゴンクロー
タイプ ドラゴン
威力  80(120)
命中  100


変化技


つるぎのまい
タイプ ノーマル
効果  自分攻撃↑↑

ステルスロック
タイプ いわ
効果  相手フィールドに岩を撒く

ほえる
タイプ ノーマル
効果  相手を引っ込ませる

みがわり
タイプ ノーマル
効果  HP1/4消費してみがわりを生み出す


Zワザ


アルティメットドラゴンバーン
元の技 げきりん
威力  190(285)

ライジングランドオーバー
元の技 じしん
威力  180(270)

ダイナミックフルフレイム
元の技 だいもんじ
威力  185
元の技 ほのおのキバ
威力  120

アシッドポイズンデリート
元の技 どくづき
威力  160

ちょうぜつらせんれんげき
元の技 アイアンテール
威力  180

ワールズエンドフォール
元の技 ストーンエッジ
威力  180
元の技 いわなだれ
威力  140

スーパーアクアトルネード
元の技 アクアテール
威力  175


テンプレート型


基本アタッカー型 

特性:さめはだ
性格:ようき
努力値:AS252 BorD4
持ち物:ヤチェのみ/きあいのタスキ/ドラゴンZ/ラムのみ
確定技:じしん
選択技:げきりん/がんせきふうじorいわなだれorストーンエッジ/ほのおのキバ/つるぎのまい/ステルスロック
優先度低:どくづき/アイアンヘッド/どくどく/みがわり

こだわりスカーフ型 

特性:さめはだ
性格:ようきorいじっぱり
努力値:AS252 BorD4/A252 素早さ耐久調整
持ち物:こだわりスカーフ
確定技:げきりん/じしん
選択技:がんせきふうじorいわなだれorストーンエッジ/ステルスロック/アイアンヘッド/どくづき/だいもんじ/ねごと

起点作り型 

特性:さめはだ
性格:ようき/むじゃき
努力値:S252 AorC252(りゅうせいぐん採用時)
持ち物:きあいのタスキ/でんきだま
確定技:じしん/ステルスロック/なげつける(でんきだま時)
選択技:げきりんorりゅうせいぐん/がんせきふうじ/だいもんじ/ほえる

【ダブル】基本アタッカー型 

特性:さめはだ
性格:ようき
努力値:AS252
持ち物:きあいのタスキ/ゴツゴツメット/ヤチェのみ/こだわりスカーフ/こだわりハチマキ/いのちのたま/ドラゴンZ/ジメンZ/ドクZ
確定技:ドラゴンクローorドラゴンダイブ/じしんorじだんだ
選択技:いわなだれ/ほのおのキバorだいもんじ/まもる/つるぎのまい/どくづき


ガブリアス 


注意すべき点


 A130からのタイプ一致げきりん・じしん。高火力かつ相性補完に優れる。岩・炎などのサブウェポンや、くさ/フェアリー複合対策のどくづきも完備。
 持ち物もきあいのタスキこだわりスカーフ、Zクリスタルなど幅広く受けにくい。激戦区100族を抜ける素早さを持ち、地面タイプによりでんじは無効。
 耐久も高く、4倍弱点の氷技も、役割破壊程度のめざ氷などは調整次第で耐えられる。速攻アタッカー型が大半だが、ステルスロック撒きやメガシンカも可能。


対策方法


 一致技のドラゴン、地面には両方無効タイプが存在する。パーティ構築時点で地面、ドラゴンに一貫性を持たせないようにしておけばよい。耐性も少なく、後出しもあまり効かないのでほぼ死に出しでしか出られない。
 タイマンで勝てるポケモンを複数用意し、釘付けにするのが最善の方法であろう。相手がつるぎのまいやがんせきふうじを使用してスカーフでないのを確認できたならS102以上のポケモンやスカーフ持ちで弱点を突くか高火力一致技で負担をかけられる。


対策ポケモン


きあいのタスキ持ちのパルシェンマンムー

 つららばりこおりのつぶてにより相手がきあいのタスキ、ヤチェのみを持っていようが有利。
 特にタスキパルシェンはあらゆる技、持ち物やステータス調整を考慮しても安定して役割を遂行できる。

S102以上の弱点タイプ

 具体的には、マニューラゲッコウガメガライボルトライコウボルトロスフェローチェ、Aキュウコンウツロイドメガメタグロスメガジュカインなど。
 上から弱点を突く。きあいのタスキこだわりスカーフ持ちが多いのでそれを見越して行動するように。不一致氷技の場合はヤチェのみに注意。

こだわりスカーフ持ちのサザンドラオノノクス

 スカーフ持ちで先制して弱点を突く。もちろん最速スカーフガブリアスには先手を取られる。その場合、後続にミミッキュギルガルドなどげきりんを起点にできるポケモンがいると望ましい。

マリルリアシレーヌ、メガギャラドス

 一発耐えて弱点を突く。メガギャラドス以外はどくづきに注意。

クレセリア、ポリゴン2、スイクン、ヤドラン、バルジーナカプ・レヒレ

 数値で受ける。積みの起点にされないように氷技やイカサマなどは必須。ただしそれを見越して、後出しを許さないいじっぱり+こだわりハチマキもいるので注意。

地面等倍以下のはがね、フェアリータイプ

 具体的には、ふうせんヒードランエアームド、メガハッサムテッカグヤトゲキッスカプ・ブルルエルフーンなど。
 タイプ一致技を半減以下に押さえ込むことで受ける。ガブリアスがこだわりアイテムを持っている場合に非常に有効。
 しかしサブウェポンにより役割破壊されやすく、ハッサムエアームドは炎技に、トゲキッス、カプ・ブルル、エルフーンはどくづきやストーンエッジに要注意。


弱点


こおりタイプの技が4倍ダメージ

 思いも依らない所からこおり技が飛んでくることがある。「れいとうビーム」を覚えないポケモンでも「めざめるパワー(氷)」を仕込んでいることが多く、不意の一撃で致命傷を負う危険性も少なくない。 

フェアリー

 第6世代からは、ドラゴンタイプそのもののメタとしてフェアリータイプが登場。フェアリータイプはドラゴンタイプの技を完全に無効化してしまう。その一方、フェアリータイプの技はドラゴンタイプに効果抜群である。 
 だが、「じしん」は普通に通るので、相手の防御が低ければそのまま押し切れることも少なくなかった。 


ダブルバトルでは


 ダブル・トリプルとなると登場当初からあまり使い勝手はよくなかった。メインウェポンの「じしん」は、敵2匹または3匹を相手にする都合上、威力がやや抑えられている上に味方を巻き込んでしまう。 
 もう一つのメインウェポン「げきりん」も、敵2~3匹の内から攻撃対象を任意で選ぶことができない。代わりに「ドラゴンダイブ」や「ドラゴンクロー」で代用するという手もあるが、それぞれ命中率や威力に難がある。 
 そして何よりもダブルでは「いかく」持ちがこれでもかと言う程蔓延している為、その高火力を発揮する機会が少なくなりがち。かつてはバンギラスカバルドンと組んで砂パ構築にして活躍させることもできたが、ターン制限によってこの戦法も使いづらくなった。 
 加えて第5世代後半以降トップメタにランドロスが君臨している為さすがに上位トップ10に入り込むのは難しい。何の因果かこいつがガブリアスの苦手な「いかく」を持っている始末。ランドロスがいないルールであれば他のじめんタイプの選択肢に乏しいせいか投入されることも少なくなかったりするが。 
 第7世代ではZワザの登場で「じしん」のデメリットを一度だけなら解消できるようになり、今までよりはマシな動きを取れるようになった。ダブルでの単体じしんと言えるじだんだを入れる余裕もありはする。 
 使用ポケモンメガシンカが制限されていた時期は高い使用率を誇っており、WCSルールではベスト3に食い込んだほど。上記「ランドロスがいなければ選ばれる」の法則そのままである。だがこれもWCS2018のルールが「アローラマーク付きなら禁止伝説・幻以外何でもOK」となった為こちらでも圏外になる程数を減らした。 


ガブリアスの歴史


第四世代


 洗練された種族値、攻守両面で優秀なタイプから、シングルバトルではたちまちトップメタに上り詰めた。DP当初からげきりん、じしん、つるぎのまい、ほのおのキバと、必要な技はすべて覚えられた。
 当時はエアームドハッサムが重かったため、その役割破壊にほのおのキバやだいもんじが積まれるケースがざらであった。
 ただ、当時の公式大会は専らダブルバトルとして行われていたため、じしんの威力分散やげきりんの味方を攻撃するリスクなど技面で適性を欠いていたガブリアスは大型大会での活躍をボーマンダに譲った。
 それでも、世代末期のバトレボ環境ではガブリアススイクン、サンダー、バンギラスメタグロス、ゲンガーという最も安定した勝率を叩き出せるとされたパーティ「結論パ」が成立した。「結論パ」のガブリアスは、技構成がげきりん、じしん、ストーンエッジorほのおのキバ、つるぎのまい、持ち物がきあいのタスキとなっていた。
 調整に関しては、HPの実数値を201にした「201ガブ」が一般的であった。
 2015年頃のバトレボバトレボオフ会環境においては、「催眠四天王」とオフ会界隈で呼ばれるドータクンクロバット、ゲンガー、メガヤンマという4体のさいみんじゅつ使いに対して強い、こだわりハチマキを持たせたねごと型が実績を残している。


第五世代


 BW期にみがわり対策として隠し味になるダブルチョップを獲得。BW2期に隠れ特性としてさめはだを習得。
 ただ、この世代になるとオノノクスサザンドララティオスなどのドラゴンタイプが暴れるドラゴン全盛環境となったため、こだわりスカーフ型のドラゴンポケモンに上から叩かれると弱い面が目立つようになった。
 そんな中で、すながくれ+ひかりのこなの組み合わせで持久戦に強くした「砂ガブ」という呼称が付けられた型が見られるように。
 「砂ガブ」はみがわりを連打して回避の試行回数を稼ぎ、回避して残ったみがわりを活かして積んだり高火力・高耐久の相手に1発余分に攻撃を入れるチャンスを活かして攻め切ったりするのがコンセプトであり、ローブシンズルズキンを念頭に置いた感がある。
 BW期の全国大会予選であるジャパンカップ2012オンライン大会(ダブルバトル)では使用率12位を記録。WCS2012優勝メンバーの1体として名前が挙がった。


第六世代


変更点

 フェアリータイプの登場によってやや弱体化。単純なところでは仕様変更によってフェアリータイプを得たトゲキッスサーナイトガブリアスのメタになった。
 特にトゲキッスの場合はガブリアスの一致メインウエポン両方を無効にできるばかりか、不一致のどくづきでは大した痛手にならない。
 さらに流し性能を活かしたサイクル型としてこだわりスカーフを持たせたケースが主流であったため、交代読みを交えないと痛い目に遭うようになった。

シングルバトル

 フェアリーの登場による他のドラゴンタイプの減少、この世代で台頭したメガガルーラメガリザードンX/Yに対する素早さのアドバンテージもあり、各リーグすべてのシーズンで使用率1位を記録し、トップメタの名に違わない活躍を果たした。
 PGLレーティングバトル統計データに基づくと、この世代における主流技構成はじしん、げきりんつるぎのまい、がんせきふうじorステルスロックorストーンエッジであり、性格はようきが6割程度、いじっぱりが3割程度であったことが言える。
 持ち物はきあいのタスキこだわりスカーフがメインであり、次いでこだわりハチマキが多くチョイスされた。
 同時選出としてはこの世代にメガシンカを獲得したガルーラとゲンガーが好まれ、この「ガルガブゲン」は第六世代のパーティ構築の主流となった。ORASリーグでは、手持ちに同時に入ったポケモンランキングの1位と2位にこの2匹の名前が、シーズン7を除いてどのシーズンも挙がった。

メガガブリアス

 追加されたメガガブリアスの使い勝手はいのちのたま型に火力で劣る上に素早さも通常のガブリアスよりも低いため、通常のガブリアスの劣化に近い。
 そのため、メガガブリアスは対戦ではほぼ候補外であり、プレイヤーの中には「メガガブリアスとは何だったのか」とその無用な存在に呆れる者や、「メガシンカの恥」と言い切る者まで現われた。

結論パ

 第四世代末期ほどORASリーグはバランスの悪い環境ではなかったが、シングルバトル結論パと呼ぶべき構築が遅くともORASリーグシーズン12には成立していた。
 構成はガブリアス、ガルーラ、ゲンガー、けしんボルトロススイクンバシャーモ。実際同シーズンでは使用率1位から6位がそれらのポケモンであったことから裏付けられている。

ダブルバトル

 素早さのラインの優秀さを重視することからダブルバトルでも需要が高まる。ガブリアスのじしんとメガリザードンYのねっぷうでひたすら攻める「ガブリザY」が環境の主流となった。
 事実、ORASリーグダブルバトルでは全シーズンで使用率30位以内を記録しており、最高位はシーズン7の12位。もっとも、シーズン7で12位を記録したのは、ダブルバトルの基本をあまりよく知らないライト層が相対的に多く、単にガブリアスの人気から使用したためであるという見方もある。
 WCS2014優勝メンバー、準優勝メンバーとしてそれぞれエントリーされていた。


第七世代


『SM』での評価

弱体化要素

 カプやミミッキュの登場などフェアリータイプの普及、メガシンカの素早さ仕様変更、こだわりスカーフ型のポケモンの蔓延など。
 さらに、さめはだで相打ちとなった場合攻撃側が勝利するように勝敗判定が仕様変更された。

当初

 ポケモン自体が300種類+αしかおらず、カプ及びテッカグヤとの相性が優れていた為一向に数が減らず、やはり今回もガブリアスがトップメタを大驀進するものと思われていた。
 実際第7世代のシーズン1では同作で初登場のカプ神の名前をもじってレートの守り神ガブ・リアスとまで呼ばれてしまうほど。 

結果

 ところが環境が煮詰まり、様々な地方からポケモンがやってきて800種類近いポケモンが戦い合う環境が完成すると、その評価に陰りを見せることになる。
 2017年1月20日で首位から陥落。その後も落ち方は留まらずランドロスボーマンダマンムーにも抜かれ2017年7月には何と2桁に突入してしまった。 
 
主な理由

強力なフェアリータイプの追加によるフェアリー環

 主にドラゴンタイプを抑えるべく誕生したフェアリータイプの強力なポケモンの追加。それも第6世代の時とは比にならないほど強力なポケモンばかりなのである。 
 各フィールドを発生させるカプ神や特性によりほぼ確実に一回は安定して動けるミミッキュアローラ御三家にして桁外れの火力を生み出せる専用Zワザを持つアシレーヌなど、圧倒的なフェアリータイプの蔓延によるドラゴンタイプであるというデメリットが響くようになってしまった。 
 こおりタイプのポケモンや既存のフェアリータイプのポケモン達相手にしてもZワザという新たな選択肢を得たり、メガシンカ時の素早さの仕様が変更されたりして、今まで以上に不利。 
 存在する型の殆どが物理型である為「げきりん」の搭載率が高く、下手に撃とうものならフェアリータイプの交代出しで隙を作られてしまうのも痛い。 

環境の素早さのインフレ

 第7世代では素早さまでもがインフレを起こすことに。主な原因は特性「サイコメイカー」による圧倒的な火力と先制技耐性を持ち、「こだわりスカーフ」で微妙な素早さを補うことの多いカプ・テテフが環境を取り巻いたこと。 
 これにより状況は一変し、ゲッコウガラティオス、果ては130族であるはずのカプ・コケコやそれ以上であるフェローチェまでもがこだわりスカーフを持つようになった。 
 さらにメガシンカ時の素早さの仕様変更によりメガボーマンダメガメタグロスが初手からこちらを抜き去って来るようになってしまった。
 インフレの大きく進んだ高速環境の中では素早さ102など半端でしかなく、ならばもう抜けないと割り切ってランドロスマンムーで良いという結果に陥ってしまっている。 

タイマンで倒せないポケモンの増加

テッカグヤ

 エアームドと同複合タイプでじしんとげきりんを流せる上にガブリアスの不一致だいもんじでは突破できない。

フェローチェ

 オーソドックスな耐久調整がされたガブリアス程度ならカクトウZで強化されたとびひざげりれいとうビームなどで上から叩いて1発で倒すことができる。

カミツルギ

 極めて高い攻撃と十二分な水準の防御を持ち、げきりん半減じしん等倍上から等倍のくさ技で殴ってくる。

現在では

 長らくガブリアスの特等席だった1位にはミミッキュが居座り続けている。
 大幅に順位を落としたメガガルーラファイアローと比べるとまだ踏ん張っていたが、シーズンが進むごとにアシレーヌマリルリが上位に登り始め、ますますフェアリー環境になっていき、順位の低下は進む一方であった。 

『USUM』での評価

 改善どころか更に落ちる羽目に。ここに来て「どうせ抜けないからSは気にしない」の代表格とも言えるカバルドンが大躍進。ガブリアスに代わって総合第4位にまでのし上がってきたのである。 
 ランドロスに至ってはさらに数を増やし、あろう事かミミッキュさえ抑え込んで総合1位に。環境が変化したにも関わらず全くと言っていい程強化されなかった結果、遂にガブリアスの順位は初発表時で総合20位にまでランクダウン。現状さらに順位の低下が進んでいる。シングルの順位だけで踏ん張っているとも言われる程。 
 言葉通り「ガブリアスを中心に回る環境」は終焉を迎えたのである。 

不遇時代を生きるガブ

 不一致火力を増強するホノオZやミズZを持たせた型が見られるようになった。ステルスロックの搭載が約4割にまで上昇。
 この世代ではステルスロックやがんせきふうじで起点を作るポケモンとしての性質が目立つ。
 ドラゴン/じめんという複合タイプに関しては、ここに来てドラゴンが邪魔に感じられるようになったとも、こおり4倍弱点は起点型として退場するために利用する面が目立つようになったとも取れる。げきりんの採用率はUSUMリーグでは7割程度となっている。

ヤチェガブ

 初期のシーズンではヤチェのみ型が2,3%程度の割合にとどまったが、シーズン14では10%近くを記録。そのシーズンで最終レート2215(1位)を記録したプレイヤーがヤチェのみを使用しており、ヤチェのみ型が見直された。
 シーズン15ではUSUMリーグで自己最高となる21位の使用率を記録(この時点で、次点はシーズン7の23位)。このシーズン、ヤチェのみは29.8%の搭載率を記録。

プレイヤーの評価

 周りの強化がこのポケモンに刺さるものだったのであって、ガブリアス自身に直接的な弱体化は入ってない。元々腐りにくく安定してなおかつ壊れではないステータスが好まれる理由であり、6世代ではあのメガガルーラにも何かしらできるという重要すぎる部分もあった。 
 事実長らくトップメタにいたにも関わらず批判はあまりなく、ゲームバランスを保っている意味での高使用率を獲得していたポケモンといえる。
 使用率が高かったからといい軽々に即腐らせるような弱体化はせずガブリアス自身のスペックそのものは保ちつつ環境を変化させたのは、調整としては成功と言える。 


ポケモンGO』のガブリアス

f:id:KOKUBANLEMON:20190820075601p:plain

概要


 2019年5月18日に実装された。プレイヤーの予想通りレアキャラで、フカマルの出現率はヨーギラスメリープ等の一般レア枠よりも遥かに下。
 大体ダンバルくらいの出現率で、1週間単位で探し回る必要すらあるほど。タマゴも10kmに設定されており、2019年6月現在入手はかなり困難。 


性能


 強力でCPも高水準、技も通常技に「マッドショット」「ドラゴンテール」、ゲージ技に「じしん」「げきりん」「だいもんじ」と中々のラインナップ。 
 手に入れさえすればカイリュー同様の突破力を見せ、技開放まで持っていければじめん複合でメタグロスでも止まらないためカイリュー以上の高性能ポケモンとして活躍が見込める。 
 だがフルに性能を生かそうと思うと現状途方もない労力を要するため、「確かに強いが手軽ではない」という評定に落ち着いている。
 ちなみにトレーナーバトルは技発動が遅いのが気がかり。同タイプでかつ「ドラゴンクロー」を持つフライゴンの方がやや使いやすいだろうか。 


ポケモン不思議のダンジョン』のガブリアス


 「本編で強いポケモンほど外伝では微妙」という法則を体現してしまったポケモン。 
 特に『探検隊』シリーズで顕著で、「身に着けられるかしこさが探検向きでない」「使い勝手のいい技が少ない」「専用アイテムでこおり弱点ケアができない」という有様。
 そして何より「これらを全てクリアした同タイプのフライゴンがいる」のが悲惨極まりない。レベル1ダンジョンであればそれなりに活躍が見込めるようなので、まだ救われている方ではあるが。 
 『超』においてはだいちのちからを習得できるようになったため探検隊よりはマシなものの、タマゴ技が無くなった関係でりゅうのいぶきを習得できなくなった他、だいちのちからの力をノーコストで習得できるフライゴンの方がやはり扱いやすい。 


ポッ拳

f:id:KOKUBANLEMON:20190820075730j:plain

 ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENTにおいても、2016年3月発売のWiiU版より参戦。近距離戦を得意とするパワータイプ。一部鉄拳のブライアン・フューリーの技を引用している。 


使える技


 突進系の技が多く、中距離から一気に距離を詰めて戦うのが得意。あなをほるによって相手の攻撃を避けつつ奇襲をしかけることもできる。ブロック攻撃の「ストーンエッジ」により切り返し能力も高い。 
 反面まともな飛び道具を持たないため遠距離での撃ち合いは苦手。対空技のリターンも小さく、空中から攻めてくる相手にリスクを負わせづらい。
 また、強力な技が多い反面ガードされると反撃確定の場面が多い。闇雲に強い技を振るのではなくキャンセル行動を交えて相手の裏をかいていきたい。 


共鳴バースト


 発動するとメガガブリアスメガシンカする。バーストアタックは猛烈な勢いで暴れ回る「大逆鱗クラッシュ」。 
 ガードされるとガードブレイクが発生するが、それでもつかみ攻撃を確定で通されてしまうため使い所が難しい。 


アニメのガブリアス

f:id:KOKUBANLEMON:20190820075844j:plain

 DP編第40話では、シロナの手持ちのポケモンとして登場。シンジのポケモンの弱点を突いた技や大技を次々と防御した。
 ポケモンサマースクールでは別の個体が登場したが、使用したトレーナーのレベルが低かったためか制御が全くできておらず、他のポケモンを巻き込んで滅茶苦茶な状況を作り出していた。
 XY編第2話では、プラターヌ研究所のポケモンとして登場。ロケット団の作戦で捕獲されかけたが失敗し、暴走。ミアレシティを巻き込む大事件へと発展した。
 後に、このガブリアスフカマル時代にアランに保護されていたことが判明。XY編終盤ではプラターヌ博士によってメガシンカを披露した。
 『ポケットモンスター XY 特別編 最強メガシンカ 〜Act I〜』ではルイのポケモンとして登場。メガガブリアスへとメガシンカさせた。
 『サン&ムーン』では、ウルトラビーストからアローラを守るためにサトシを中心に結成されたアローラガーディアンズのライドポケモンとして準レギュラー扱いで登場。サトシを乗せている。その気になれば雪山にも登れるが、本人曰く「鮫肌が立ってしまう」らしい。 


使用トレーナー


• シロナ 切り札として。
• サカキ PWTワールドリーダーズ戦にて。
• バンジロウ ブラック2のみ。黒の摩天楼戦にて。
• ワタル HGSS強化後。
• リュウ

─────────────────────

 以上です。これで紹介を終えます。